なぜ『裁判所登録翻訳』が必須なのか — タイ司法制度の構造
タイの司法制度は、民事訴訟法 ・ 刑事訴訟法という二つの主要手続法を中心に運用されており、いずれも『証拠書類の信頼性』を厳格に求めます。外国語書類が証拠として提出される場合、その翻訳が誤っていたり、翻訳者の身元が不明であったりすると、裁判官は『証拠能力なし』として却下するか、期日を延期して再翻訳を命じます。これを防ぐため、タイ司法省(Ministry of Justice)とタイ裁判所(Court of Justice)は、宣誓翻訳者(Sworn Translator)制度を運用しており、登録された翻訳者は ①翻訳者試験(言語 + 法律用語)合格 ②継続教育受講 ③懲戒制度服従、を条件に登録番号と公式印を付与されます。NPT が起用する翻訳者は全員このプロセスを完了しており、翻訳成果物に登録番号 ・ 公式印 ・ 宣誓書を添付することで、提出と同時に裁判官が翻訳の信頼性を確認可能です。一般の翻訳会社や自己翻訳ではこの制度的裏付けが無く、たとえ翻訳品質が高くとも裁判所は受理しません。
